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情報誌「みみずく」

 「みみずく」は、NPOに関心のある方々に向けてメッセージを発信する「市民活動情報誌」です。その時々の問題をKECの視点から特集しています。ここでは、「みみずく」に掲載した巻頭言をご紹介します。

    ■第14号[2003年10月25日発行]  13号へ / 15号へ 
 「異」であれ (特)市民活動センター神戸 副理事長
(株) シティコード研究所 代表
 森田 博一


 神戸が、12世紀の後半にいきなり日本の首都となったときの主人公は、この地とは別荘を持つぐらいの縁しかなかった平清盛だった。19世紀半ばに国際港を持つまちとなったときは、異人さんや珍奇な物産を迎え入れることによって近代的な都市として飛躍した。その後の急激な工業化を進める過程においては、九州や沖縄など遠来の人びとがこの地に根付き、このまちの発展を支えた。

 このように、神戸というまちは、時代が激動する時期には、いつも「異」を受け入れることをバネにして活力を得てきた。
 だから、20世紀の終わりに未曽有の災害がこの地を襲ったとき、このすさまじい破壊を機に、「異」によって時代を変える可能性があった。

 自動車に頼らない生活を考えるべきではないのか?食糧やエネルギーのほとんどを外部の世界に依存しているくらしはおかしいのではないか?生活が孤立したとたんに、全てのものを政府や自治体の手当てに求めなければならないのはなぜなのか?…この災害に関わった多くの人の胸に、それまでのあり方ではないという意味での「異」への思いが去来したと思う。

 しかし圧倒的な破壊は、圧倒的なスピードで修復されるだけだった。倒壊した高速道路は、本質的な反省や原因究明もなしにまたたく間に復旧された。大量の人命とともに失われた住宅も、公営住宅が供給されることによって数の上では迅速に回復した。まるで醜いものを隠すように、ほとんど全てのモノが急速に復元された。

 このようにみると、「異」は無視されたかのようにみえる。しかし冒頭にかかげた歴史的エポックを振り返ると、実は「異」はモノではなく、ヒトによって担われてきたことが分かる。 

 震災を機に活発化してきた市民活動は、市民一人ひとりの個を尊重するという点で、行政の均質・平等主義的な方法と異なる。そして、仲間や他の団体を常にヨコに眺め、しばしばこれらと連携するという点で、行政や企業に一般的な、タテに流れる組織原理と異なる。

 またこれらの市民活動は、資源・エネルギー多消費型社会の改善、人間らしさを失わない経済の探求、市民自治の実践など、いまこの社会に存在しない「異」を探っている。

 「異」であり続けることは決して容易ではないとも思う。だいいち、エネルギーがいる。メジャーでないがゆえの欠乏や孤立が常にある。時として、反対のための反対に陥ってしまうこともある。

 それでも「異」でありたい、「異」であってほしい。
 市民活動と呼ばれるものに関わってみて、それが何ものであるのか、いまだ言葉に尽くすことはできない。しかしタマネギのようなその皮を剥いてみると、きっと中には「異」という種が入っていると思う。

以上

■その他の掲載内容/全8ページ▼
   <特集> ・NPOと広報〜広報を通じて社会にメッセージを
        ・NPO法に関する「内閣府新基準」と兵庫県の対応について
   

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