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「みみずく」は、NPOに関心のある方々に向けてメッセージを発信する「市民活動情報誌」です。その時々の問題をKECの視点から特集しています。ここでは、「みみずく」に掲載した巻頭言をご紹介します。
■第15号[2003年12月25日発行] 14号へ / 16号へ
| 「なぜあなたは人を助けるのか」 |
(特)市民活動センター神戸
前理事長 中田 豊一 |
2月から数年間、家族でラオス北部の小さな町に赴任することになった。森林保全のプロジェクトをお手伝いするためである。私には、このような国際協力に関わる際の原点とも言うべき経験がある。それを紹介して、しばしお別れの挨拶としたい。
場所は、バングラデシュの農村。海外協力NGOで活動していた私は、現地の農民から聞かれた。「なぜあなた達は、遠いところから来て、縁もゆかりもない私たちを助けてくれるのか。そんなことをして、どんな利益があるのか」と。その問いは私の胸に強く響いた。海外ボランティアの世界は、はた目には美しいかもしれないが、現実は、どんな役に立っているのかわからないほど混沌としていた。「困った人を助けるのは人間として当然のこと」などという月並みな答えで済ませられるほど、ことは簡単ではなかった。
日本に戻った私は、この問いにしっかり答えてみようと考えた。ますます他者と関わらないでも生きていけるようになってきている時代だからこそ、その意味を深く掘り下げてみたかった。数年を経て、やっとたどり着いたのが以下のような考え方だった。
「あなたも知っているように、私たちの間には、もともとなんの関係もありません。私があなたを援助する義務もありませんでしたし、援助するためのこれといった理由も思いつきません。私は、私の問題を解決するために努力する。あなたはあなたの問題を解決するために努力する。それだけのことです。その一方、私だけの問題は存在しないし、あなただけの問題も存在しないことも確かです。私は、自分だけで自分の問題に気づくことはできないし、あなたもそれは同じことです。私というものには、固定的な実体はなく、自己とは他者との関係においてのみ成立するものだからです。だから私は、この場この時を共有しているあなたと私との関係について、あなたと語り合ってみたいのです。あなたに本当に援助が必要なのか、私たちが真になすべきことは援助なのか、私たちの関係の奥に潜むそれぞれの問題は何なのかを、あなたといまここで共に問うてみたいのです。あなたは、どうですか」
遠いラオスの山で起こっている森林破壊であれ、お隣の独居老人のことであれ、問題への関りの姿勢になんら変わりはないはずだ。深い森の中で、1000年以上も変わらないライフスタイルを生きる人々と、共通の未来を語りあってみたい。
■その他の掲載内容/全8ページ▼
<特集> ・NPO制度は新しいステージに
・NPO法に関する「内閣府新基準」と兵庫県の対応について(続)
・「NPO法の運用方針」の会計上の問題
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