
「みみずく」は、NPOに関心のある方々に向けてメッセージを発信する「市民活動情報誌」です。その時々の問題をKECの視点から特集しています。ここでは、「みみずく」に掲載した巻頭言をご紹介します。
■第18号[2004年10月25日発行] 17号へ / 19号へ
「いい加減にしてよ財務省」
〜NPO支援税制改正の秋〜 |
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会 事務局長
市民活動センター神戸 理事 松原 明 |
この9月に1週間ほどワシントンに行って来た。目的は、米国のNPO税制を調べることだ。
日本では、NPO活動を税制面から支援するために、二〇〇一年に認定NPO法人制度をスタートさせている。しかし、この制度、一向に利用が進まない。スタートしてから3年で、わずか25の法人が認定を受けたにすぎない。NPO関係者からは「絵に描いたモチ」と評判がすこぶる悪い。
一方、日本の制度のモデルとなった米国のNPO税制は、毎年数万団体が認定を受け、米国における活発な寄付活動の後ろざさえとなっている。いったいなぜこのような違いが生まれるのか。再度確認するために米国に行って来たわけだ。
向こうでは、内国歳入庁(こちらの国税庁に該当)の担当者や財務省の担当者に会って話を聞くことができた。その時の会話の一部を紹介する。
松原 「日本ではパブリックサポートテストの分母・分子に政府からの補助金は入れないのだが」
内国歳入庁 「米国では、政府は広くから税金を集めており、パブリックな存在であるとされている」
松原 「日本では、役所は自分たちがパブリックな存在と思っていないようだ」
内国歳入庁 「???」
松原 「日本では、議決権を持つ会員の会費は、パブリックサポートテストで分子には入れられない」
内国歳入庁 「米国では、もし会費が会の活動のために出されるのであれば、議決権をもって参加し、さらに会費を出すというのは、むしろ奨励されることである」
松原 「日本では、単年度で要件を満たす必要があるとされている」
内国歳入庁 「単年度? 米国では寄附が集まったり集まらなかったり、経済変動があるので、4年間の総計で計算することにしている」
万事こんな感じで、最後は聴くのがばかばかしくなってきたものだ。
米国がなんでもすばらしいという気は毛頭ない。しかし、政府のお金とはどういうお金なのか? 社員からのお金とは、またどのようなお金なのか? そして、NPO活動の苦労や現実とはどうなっているのか? そんなことからはるか遠いところで、日本の認定NPO法人制度は作られている。まったく現場が見えていないのである。この制度、霞ヶ関の古色蒼然とした建物から出ない財務省官僚の妄想が生んだ代物といっても差し支えない。
さて、今年は年末の税制改正に向けて、認定NPO法人制度を改善するべく、ようやく政府も重い腰をあげようとしている。しかし、まったく信頼できないといっていい。彼らは、現場を知らないからだ。このままでは、改正があっても、ロクな改正とならないのは目に見えている。
認定NPO法人制度を、実態にあった使いやすい制度にするために、今こそ、NPOは、現場からの声をあげて行くべき時なのである。
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